New moon Cafe Merta Sari 12月の新月 [ものがたり] 第7話 その2

「ええーーーーー!」

と声には出さないものの、心の中で叫び

そしてがっくりと膝から力が抜けて行くのを感じた。

 

私ったらなんてことだろう。

毎月あんなに楽しみにしていたのに、

師走に入ってから気忙しく、何かと過密なスケジュールでバタバタしていたからか、新月の日をすっかり勘違いしていたのだった。

 

 

そんな自分にショックを受けながら、仕方なく今来たばかりの道をとぼとぼと引き返すことにした。

 

***

昨日OPENしていたであろうNew Moon Café

 

昨日はどんなランチメニューだったんだろう。

そしてどんなお客様が集っていたのだろう。

 


エミさんはいつもの通りのあの笑顔でお店を朗らかに、温かく照らしていたのだろう、と思うと

その空間に自分が居ることができなかったことが少し悲しくて、涙が出そうになった。

 

 

 

再び駅までの道のりを歩きながら、

 

今日のお昼は何を食べようかな、、、と

ぼんやりと考えた。

身体も心もエミさんのご飯のモードだったので

今から他のお店に入る気にもならなかった。

***

 

お腹がぐうと鳴ってもとぼとぼと歩みを進めていたら

 

急に「ご自由にどうぞ」と書かれた札と、山盛りの真っ赤なりんごが目に飛び込んできた。

見上げると、そこには大きなりんごの木があった。

まだまだ枝には実がなっていて、それ以上の数のりんごがカゴにどっさりと盛られていた。

 

日本の八百屋さんやスーパーではめったに見ない、小ぶりのりんごだった。

イギリスに行った時に、確かこのようなりんごを植えている家が山ほどあって、そしてこの小さいりんごは酸っぱいし美味しくないからCooking Appleなのよ、と教えてもらった記憶がある。

 

そのままだと食べられないから、お菓子やお料理に使うのよ、と。

 

もしかしたら、このりんごもそうなのかな?
と一軒家に植えられているその木を見上げながら、思う。

確かにどんなにお料理をしても1家族では到底食べきれないくらいの量のりんごが採れそうだった。

もしそうだったら、このりんごをいただいて今日は焼きりんごを作ってみようかな。

 

想像しただけで、シナモンの香りがふっと鼻をくすぐった感じがした。

 

オーブンから出したての、アツアツのりんごの甘い香り。

バターとお砂糖はどうしようかな、、。

頭の中で材料を考える。

***


実は今、少しずつアーユルヴェーダを学び始めている。

体質に合わせた食事のことや、オイルマッサージのこと。そして季節のエネルギー。

 

アーユルヴェーダはお砂糖自体はNGではないけれど、確か冬の時期に甘い物や乳製品、消化に重いものを食べすぎると、春に花粉症になると言っていた気がする。

毎年12月には、クリスマスや忘年会、パーディーも多いのでケーキやスイーツをいつもよりもたくさん楽しむのが習慣になっていて、そして春先に身体が重くて自己嫌悪になるのも習慣だった。

そして花粉症にもいつの頃からか、毎年の習慣のように春には悩まされるようになっていた。


年々花粉症の人も増えるし、そんなものかと思って気にしていなかったけれど

冬の甘いものと春の花粉症が繋がっているならば、

 

少し今年は調整してみようかな、とアーユルヴェーダを学びながらそう思ったのだった。

***

焼きりんごを作りたい。だけれど定番のお砂糖とバターについてはどうしようか。

そんなことを考えながら、りんごを2個カバンに入れ

ありがとうございます、と心の中でお礼を言って、その家を後にした。

 

Written by Saki Ikeda

その3はこちら!


New moon Cafe Merta Sari もくじ

12月の新月

◯Story-ものがたり

New! 《ものがたり》第7話 11月の新月 その1

New! 《ものがたり》第7話 11月の新月 その2

New!《ものがたり》第7話 11月の新月 その3

New!《ものがたり》第7話 11月の新月 その4 (最終話)

 

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◯Recipe-レシピとオススメ

New!

 <12月のnew moon+1デリ>

[Recipe] シナモンソルトとうふ

[Recipe] キャベツのクミン蒸し炒め

[Recipe] 黒豆の和フムス

[Recipe] 小松菜と芽ひじきとレンコンのホットビーンズサラダ

coming soon!

 <12月のnew moon+1旬のお魚>  

ブリのスパイシームニエル 

<12月のスープ>

大根ポタージュ

<12月のパン>

 365日のラシドネ