さて、先日、伊豆の観音温泉という温泉宿に行きました。その温泉宿は80代の女将さんが今でも活躍されています。今回は小原の母がその人に会ってみたいというので、連れて行くための旅でした。
女将さんは昼間は作業場で梅干しを作り、夜は食事処に挨拶に出向く。溌剌としたその方は、笑顔がとってもチャーミング。そして目の奥がきらりと光っています。丸い背中は働き者の証。私はその存在感の秘密が知りたくて、その方にお聞きしました。
エミ「これまで続けてこられたその極意はなんですか?」
女将さん「自分都合でなく、人の喜ぶことをすることだね。」
エミ「ここまで長年続けるのは、簡単なことではないと思うのです…難しいことですよね。」
女将さん「難しいと思ったら、難しいのよ。」
私もお店をしている話をすると、「がんばってね」と声をかけてくれた女将さんの笑顔。その愛嬌と考え方の柔軟さにいい刺激をいただいて、帰り道には、私も「やり続けよう。」と思ったのでした。
いい機会なので、メルタサリで、人に喜んでもらいたいと思って続けてきたことを少し考えてみました。
・清潔で静かなお部屋を貸切で美味しいお茶でほっと休める
・コリも解きほぐされる
・お顔のエイジングケアもできる
・バタバタやイライラ、ソワソワなどの女性特有のつらさもスッキリ
・上質なオイルを使っていて、アロマはメディカルレベルの脳にも体にも心にも効く。
・アーユルヴェーダというインドの伝承医学で神経のケアもできる
・ストレッチや深い筋肉や筋膜のケアで、繰り返し受けると体はどんどんしなやかになる
・前後のお客さんに急かされることもない、ゆったり時間を用意されて。
・痛みを繰り返さないために、ヨガで予防ケアもできる。
・呼吸法や瞑想のヨガクラスでは自分を見つめ直す心の掃除ができる。
・マッサージの前後にセラピストとゆったり話ができて、相談もできて気持ちもほっこり。
・時々好きな時にふらっと言っても歓迎。
・希望すれば長期的に見ていてもらえる。
・サロンを利用し、自分を磨いた分、アジアの子供の教育支援もできる。
……
これは、海外のスパを巡る中で、私がこんなサロンがあったらいいな、をすくい集めたもの。そして何より私に相談を持ちかけ、信頼してくださった方々のおかげで、このような場所ができたんです。
サロンを運営していく中で、何かを真似したわけでもなく、わざとオリジナルになろうとしたわけでもないのですが、自分を整えることで、その人が光を放ち、そのいい空気がその人の周囲に広がっていく。そんな「一隅を照らす」人が集まる場所にしたい。そう心に決めています。
私のヨガの先生はよく行っていました。
「自分のエネルギーを軽やかによきものに保つのは、生きている中での責任。」
そのためには、体の調子がよくないと、気が巡っていきません。
私が温泉宿でくつろいだように、メルタサリに来るだけでほっこりと安らぐような時間をお届けできたら…そう思っています。
ですが、そういう私の想いは少し遠くに置いておくようにして、私が決めていくときは頭だけでは決めないようにしています。サロンを利用する日は旅人のように縛られず自分の好きなように過ごしてほしいと思うのです。
だって、「このサロンいいで〜受けたら絶対いいで〜。あたい、めっちゃみんなを元気にしたいねん。きてや〜〜〜〜」と想いをこめられるってちょっと暑苦しい。私の考えや調子など、こっちの都合だから。
でも、相手の喜ぶことするというのは、自分を犠牲にするのとは違うと思っています。
まず自分と付き合う、自分との対話によって、何が本当にその人が喜ぶかを考えつつも、私の中にそれを心から喜ぶ気持ちがあるか。その内省をしているとだんだんサロンに関して「どうするか」が見えてきます。
なんて小難しくなってきましたが、決めるときの決め手は、実は「体」。私の体がふっと軽くなるか。ちょっと不思議なようですけど、やりたくないことや、何か木が進まないことって「足が重くなる」というように体がお知らせしてくれています。だから私は自分の体を信用して、金属感知器みたいに、私にとっての深い意味での喜びを選ぶようにしています。
ちなみに、私にとって、最高に体が軽くなってひょいひょい動くのは、やはりこの仕事です!
ちょっと、からだマニアすぎましたね…
話を戻しますと、この80歳の女将さん。きっとこの女将さんが尽きることのないエネルギーが80歳になっても湧き続けるのは、人の喜びが自分にとっての喜びだからでは。私はそう感じました。
私も80歳まで心を高めて、喜びを持って、軽やかに、たくさん笑って、この仕事をしよう。
ではまた!