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春の疲労回復とアーユルヴェーダ

今、独学で栄養学の勉強をしています。
今年の目標は、6月から分子栄養学をベースとした栄養コンシェルジュの資格取得へ。
アーユルヴェーダの食事理論と掛け合わせた、Mertasariオリジナルの食事理論を来年までに完成させること。

多くの女性が、より健やかに、美しく、メンタルも満たされた毎日を送れるように。
その目標に向かって、皆さんと一緒に実践しながら進んでいきたいと思っています。

今日はその学びの中から、「大人女性の体と疲労回復」について。
知ると、ただ寝るだけは疲れが取れない理由がわかり、疲労への向き合い方がガラッと変わる話です。


アーユルヴェーダが言う、春のからだ

アーユルヴェーダでは、春はカパの季節。

カパは「水」と「土」の性質——重さ、湿り気、ゆっくりとした流れ。冬の間に体に蓄積されたものが、春になってもまだ残っている。

むくみ、だるさ、なんとなく重い感じ。これはからだのサインです。——「そろそろ、手放す時期ですよ」——と。

カパを手放すのに必要なのは、激しさではなく、動き続けること。軽く、温かく、流れを作ること。


疲れが取れない、燃えないからだの裏側に

現代の働く女性は、仕事のプレッシャー、睡眠不足、情報過多、人間関係のストレス——さまざまな刺激にさらされています。

このような状態が続くと、副腎はコルチゾールとカテコールアミンをつくり続け、やがて疲弊していきます。これが副腎疲労と呼ばれる状態です。

副腎が疲れると——

  • カテコールアミンの分泌が低下する
  • 脂肪分解のスイッチが入りにくくなる
  • やる気が出ない、疲れが取れない
  • 代謝が落ちて、体重が落ちにくくなる

「寝ても疲労回復しない」「食事に気をつけているのに変わらない」——
その裏に、副腎の疲労が隠れていることがあります。


副腎を守るために

副腎を元気に保つために、今日からできることがあります。

  • 睡眠を優先する——副腎は夜に回復します。22時〜2時の睡眠が特に大切です。
  • 血糖値を安定させる——血糖値の乱高下は、副腎への余分な負担になります。
  • 激しすぎる運動を避ける——高強度の運動もコルチゾールとカテコールアミンを大量消費します。ゆるく、長く動く方が、副腎に優しい。
  • ビタミンCを補う——副腎はビタミンCを大量に消費します。パプリカ、ブロッコリー、キウイなどを意識して。
  • 深呼吸・瞑想・ソマティックな動き——神経系を副交感神経優位に切り替えることで、副腎への負荷が下がります。

整えることが、美しいからだへの近道

カテコールアミンは、頑張って増やすものではありません。副腎を休ませ、神経系を整えることで、自然と機能が戻ってきます。

頑張るより、整える。
それが、40代以降のからだとの正しい付き合い方です。


まず「安全な状態」に戻す

からだが緊張状態のままでは、脂肪は燃えにくくなります。

大切なのはまず神経系を整えて、からだを「安心」できる状態に戻すこと。

Mertasariの6weeksや3monthsでは、呼吸・ゆっくりした動き・胸郭へのアプローチ・ソマティックなワークを通じて神経系にアプローチし、自然と力が抜ける状態を作っていきます。

整えてから、燃やす。
この順番が、40代以降のからだにはとても大切です。


アーユルヴェーダの視点

春は「カパ」の季節。重さ、ゆっくりした流れ、蓄積——冬にため込んだものを、少しずつ手放していく時期です。

カパを整えるために必要なのは、激しさよりも、流れを止めないこと。

チルなヨガ、ゆっくりした散歩、内臓が動くような動き——からだの知性に沿った動きが、春のからだにはよく合います。


季節のケア|アーユルヴェーダ的・春の食べ方

  • 🌶 スパイスを使う——ジンジャー、ブラックペッパー、ターメリックでアグニ(消化の火)を温めて。
  • 🥗 軽く、温かく——重いもの・乳製品・揚げ物はカパを増やしやすいので春は少し休憩を。
  • 昼をメインに——アグニが一番強い昼を、一日のメインの食事に。朝と夜は軽めに。
  • 🚶 食後は動く——食後10分のウォークやカーフレイズで、血糖値をゆるやかに保ちます。

そして、もうひとつ大切なこと。

大人女性に見落とされがちなのが、疲労を残さないことが、老けないこと。

激しく動いて疲弊するより、
ゆるく動いて、翌日も軽やかでいられる。

それが、40代からの「うちからの健康美」だと思っています。

内側からの健康美を、一緒に。
Emi


5月から3ヶ月かけて、回復上手な体を作る、プログラムが始まります。
詳しくはこちら

いい手はどこから来るのか

——12年かけて気づいた、「いい手」の科学

マッサージを初めて習った日、全身から手へと走るあたたかさを感じた。

その瞬間から、「触れる」ということをとても不思議な気持ちで見ている。


その頃、ヨガを始めて15年ほど経っていた。施術を始めると、お客様から言われた。

「エミさんの手からは、何かが出ている」

バリ島で出会った日本由来のReiki——気を巡らせるヒーリング——も試してみた。するとそこでも、「すでに出ているよ」と言われた。

一体、何が出ているんだろう?

いい手をしている人を見つけては、その秘密を探り続けた。


この仕事を始めた頃、施術台の前に立つたびにこの人を元気にしたい!と力みすぎていた。技術はある。でも施術が終わるたびにとっても疲れた。このままでは続けられない——その問いのまま、バリ島へ向かった。

12年かけて、解剖学と神経科学という視点でその仕組みを紐解き、ようやく言語化できた。だから今日、記しておきたいと思う。


「どうしたらいいものが作れるんでしょうか」

先日、ものづくりをされている方とお茶をしていて、そんな話になりました。手を使う仕事。技術はある。でも、何かが違う——そう感じている人は多いのではないでしょうか。

母の手とプロの手

同じレシピでも、母が作るおにぎりはおいしい。同じ技術でも、ある人に触れてもらうと涙が出る。これは気のせいではなく、手が持つ情報の差です。

神経科学的には、触覚は単なる圧力情報ではありません。触れる側の内的状態——呼吸、筋緊張、注意の向き方——が皮膚の質感や圧の変化に現れ、受け手の自律神経に直接届きます。「安心する手」には、再現可能な理由があるのです。

12年かけて聞いた答え

バリ島でアーユルヴェーダの先生に出会いました。触れられるだけで自律神経が整い、頭が空白になる。その手を持つセラピストたちに何年も通い、ある日聞きました。

答えは「無」でした。

気持ちよくしてあげたい、うまくやりたい、この圧は合っているか——こうした思考や感情を、施術に入る瞬間に手放す。残るのは、深いところにある一本の意図だけ。「この人に良くなってほしい」という志。

これは瞑想の実践と構造的に同じです。雑念を手放し、クリアな集中を保つ。頭の中で毛糸が絡まった状態ではなく、晴れた青空のような広い注意。その状態で触れる手は、受け手の神経系に「安全」のシグナルを届けます。

手は、内側を映す

技術は必要です。でも技術の土台に何があるか——それが、手の質を決める。

感情を消す必要はありません。不安も期待も、人間だから当然ある。ただ、本番に入ったら、それをいったん置いておく。その練習が、手を育て、疲労感も軽減します。

あなたの手は、あなたの内側を映しています。だから、手を磨くとは、内側を整えることでもある。


その答えにたどり着いてから、施術前の時間が変わりました。

完璧にととのえようとするのではなく、ただ、いまここに戻ってくる。息を整え、自分の重さを感じ、意図を一本に絞る。

手のことを考えているようで、これはほとんど、自分自身との対話です。

長く続けるほど、手はただそこに触れている。深まっていく。相手に届くものになる——

そう信じながら、今日も一人一人を大切にセッションしています。

🌿


小原エミ(Emi Kohara)
ボディセラピスト/Mertasari Bodyworks 主宰
ヨガ指導20年、施術12年。解剖学・神経科学をベースに、
自律神経と身体感覚へのアプローチを探求。
触覚と内的状態の関係を紐解きながら、
からだが本来持つ力を引き出すセッションと
プログラムを提供しています。

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