5000年の歴史を持つアーユルヴェーダの智恵は、今も実践され、今日の現代社会でもなお活用されています。日本には四季があり、季節ごとに、私達の身体にも影響を与えており、良い影響と悪い影響の側面があります。だからこそ、アーユルヴェーダの先人たちは「ディナチャリア」(一日の過ごし方)「ルトゥチャリア」(季節による一日の過ごし方)という生活法を教えてくれています。
その生活法を実践することにより、私たちは食事と生活習慣に良い変化を起こすことができ、また新たな季節の到来に対して、私たちの「プラクリティ(身体の体質)」が適応してゆくよう備えることができるのです。
〜季節の変わり目 サンディカーラ〜
アーユルヴェーダでは、季節が次の季節に移り変わる期間を「サンディカーラ」といいます。
「サンディ」は繋ぐ。「カーラ」は期間という意味で、2つの季節の繋がる時期、つまり季節の変わり目を「サンディカーラ」といいます。
(例:夏の後に秋がくる)
このサンディカーラによると、夏の終わりは秋の始まりの時期となり、2つの続いた季節の7日前と7日後を移り変わる時期と考えます。
このサンディカーラの時期には、この2つの季節の両方のディナチャリア(一日の生活法)とルトゥチャリア(季節の生活法)にそった生活をすると、よい健康づくりに役立ちます。
また、このサンディカーラの時期には、食物も今の季節から次の季節の旬へと徐々に変化していきます。
もし、体(消化器官)が季節とともに変化し順応していくプロセスを無視して、突然食事や生活スタイルを変えてしまった場合には、それが病気の原因になっていきます。
秋はアーユルヴェーダでは「シャラド ルトゥ」と言い、この時期は自然にピッタ(火の質)が上がります。そのため、夏の終わりには、秋のディナチャリア(一日の生活法)を少しずつ始めていくのが良いでしょう。
季節の変化に沿って、少しずつ徐々に体を変化させていきます。
例えば、夏から秋への変わり目には肌寒くなってきますが、この移り変わりの時期は暖房などの人工的なヒーターなどを入れるのは体によくありませんので、避けましょう。
〜秋は、カラダにどう影響しているのか〜
秋は、ヴァータ(風)の乾燥性の影響が増してきます。そのため、アーユルヴェーダでは、外側からと内側からのオイルケアで体の潤滑を維持します。夏は、液体のものの摂取を増やすことで、体内の水を維持します。ビッタ(火)とヴァータ(風)の両方を落ち着かせるためにスパイスを少なめにします。スープやイエロームング(豆)などが良いでしょう。秋の間はピッタが増悪しやすいので、過度の蓄積はパンチャカルマ(数週間〜数ヶ月ほど続けて行うアーユルヴェーダの浄化法)のビレチャナ(浣腸)で排出すると良いでしょう。(ビレチャナ(浣腸)は基本的には日本では受けることができません。)
〜秋にオススメのレシピ〜
【Gheeギー】
ギーはアーユルヴェーダではアムリタ(甘く滋養のあるという意味の甘露。神話で神が持って現れたともいわれている。)のようなものです。アンチエイジング(ラサーヤナと言います。)に一番良いと言われ体の熱を冷まし、肌を若返らせます。また、記憶など脳にも良いと言われ、小さな子どもにもオススメです。視力を良くし、白髪や抜け毛をコントロールします。
【バターミルク レシピ】
1、2杯の水に、3〜4杯のテーブルスプーンのカードまたはヨーグルト(酸っぱくないもの)を入れる。泡が上部に立ってくるまで、泡立て器で5〜10分ほど混ぜる。
2、岩塩(ピンクソルト)2〜3つまみ(ティースプーン半分)
1/2ティースプーンのクミンまたはクミンパウダー
1つまみのお砂糖
みじん切りにしたコリアンダーの葉
お好みでアサフォエティダまたはヒング
を加えてよく混ぜる。
3、昼食の間または昼食後に飲む。(注意:夜や早朝には飲まないこと)
【Jaljira(ジャルジーラ)レシピ】
ミント、クミン、水を混ぜたインドの飲み物。暑い夏に冷やしたものをよく飲まれる。
[材料]
・ミントの葉 カップ3/4
・砂糖 カップ1/4またはテーブルスプーン2〜3杯
・クミンシード テーブルスプーン1杯
・レモンジュース テーブルスプーン2杯
・岩塩 ティースプーン1杯
・生姜ペースト ティースプーン1/2杯
[作り方]
1、ミキサーにミントの葉、砂糖、生姜ペースト、レモンジュースと少量の水を入れて、滑らかなペースト状になるまで混ぜる。
2、大きな入れ物に移し、3〜4カップの水を加えて、煎ったクミンパウダーと岩塩を加え、溶けるまでよく混ぜる。
3、飲む直前に氷を用意しミントの葉を潰しておく。全て混ぜ合わせ、スパイスが沈まないようによくかき混ぜて飲む。